2017.11.09

水都大阪、水辺をオモロくする民と官の底力

水都大阪、エリアマネジメントの最新事例

「水と光の都市」を目指して大阪で2017年10 月7日から29日まで開催されたイベント、水都大阪フェスに視察に行ってきました。

「大阪」というと何を連想するでしょう。食い倒れ人形、たこ焼き、阪神タイガース優勝時に一部のファンが飛び込む道頓堀?

今回水都大阪フェスで見た大阪、中之島の水辺は「ここはパリのセーヌ川か」と見間違うほどのロマンティックで心地よい景色が広がっていました

観光地化された道頓堀遊歩道

民間発、水辺での社会実験

2001年に国の第3次都市再生プロジェクト「水都大阪の再生」に採択されて以降、船運や水辺での社会実験が民間によって活発に行われてきた大阪市。2004年に道頓堀の両岸整備をはじめ、川に背を向けていた建物が少しずつ店構えを川に向け、人が賑わう光景を生み出していきました。遊歩道の手摺欄干には、整備当時既に設置されていたと思われる電源ボックスもあり、早くからイベント実施を見据えた継続性のある遊歩道の賑わいが計画されていたことが伺えます。

民間企業がまちづくりを盛り上げる

道頓堀沿いの遊歩道管理運営(広告出店・イベントスペース運営等)を大阪市より委託されているのは南海鉄道㈱です。私鉄帝国大阪の鉄道会社による街づくりへの協力の姿勢が垣間見えます。遊歩道上での店舗の日よけ(オーニング等)設置についてルールが定めら、大阪市の許可を受け、使用料(3,750円/㎡)を支払う決まりになっています。護岸整備やイベント実施等、ハード・ソフト面ともに整備され、かつて悪臭漂うと言われた道頓堀沿いは、立派な観光地となっていました。

とことん水辺で遊ぶ、水陸両用バスとサップ

大阪のビジネス街、中之島では道頓堀とはまた異なる美しい水辺の風景が広がっていました。水都大阪では水辺の景色を観光客に見てもらうために数多くのクルーズ船が行き来していますが、今回我々は水陸両用バス「ダックツアー」に乗ってみることにしました。乗り場の「川の駅はちけんや」はチケット売り場のみなく、日本シティサップ協会による「水上さんぽ」を体験できる場所やカフェも併設されており、「水辺のアクティビティ」が常時体験できる場所になっていました。同じ場所に同類のコンテンツをまとめて設けることはユーザーにとっても分かりやすい街づくりになっていると考えます。

つくる仕組みからつづける仕組みへ

中之島にある国指定重要文化財の大阪市中央公会堂(東京駅と同じ建築家:辰野金吾氏が実施設計)が良く見えるテラスのあるカフェが「&ISLAND」をはじめ、北浜エリアには川に面した素敵なテラスを持つ店舗が10数店あります。実はこのテラス、ビル竣工後しばらく経った2009年頃に作られた川床で、北浜協議会という水辺に賑わい創り出す水辺を愛する人と不動産オーナー、そしてお店を運営するテナントによって結成されたものでした。

水辺を愛するプレイヤー、末村さんと窪田さん

今回、水辺を愛するプレイヤーの一人、末村さんとテナント店主の窪田さんに北浜テラスの成り立ちのお話を聞くことができました。
始まりは、2007年頃、3つのNPO(水辺のまち再生プロジェクト、もうひとつの旅クラブ、大阪まちプロデュース)で川床の検討をスタートし、そこから「自ら投資し実施するプレイヤ―探し」、「公的な河川の占用主体が必要」等の課題を抽出していくことからスタートしたそうです。
末村さんは、様々なメンバーを集め、「毎週第3水曜日は水辺ランチ」や水辺を楽しむ活動をゲリラ的に行うことを始め、行政に対して間接的に水辺利用を訴え実現していくことで、民間から発足した水辺の使われ方を実現されていきました。

自分のお店を盛り上げることは、北浜エリア全体の賑わいをつくること

店主の窪田さんは、自身のお店を盛り上げていくことはもちろん、北浜エリア全体の賑わいを見据えていらっしゃること!0から1をつくることはもちろん大変ですが、それと同じくらい「つづけること」も根気と志が必要です。テラスがある飲食店のオペレーションは雨天時を考えると大変だと思いますが、それ以上に川に面したテラスを誇りに思い、北浜エリア全体を考えている窪田さんの志に感銘を受けました。

水辺のエリアマネジメントの先駆者、水都大阪は変化し続ける

ここまで読んで、「大阪」のイメージは「食い倒れ人形、たこ焼き」から少し違うものになったでしょうか。東京では見られないオリジナルの風景が広がっています。水都大阪は1か月間だけのイベントですが、クルーズ船や川床のあるレストラン等は、いつでも見ることのできる大阪の水辺の風物詩になっています。

ぜひ、水都大阪へ、足を運んでください。新しい風景を見ることができるはずです。