2015.09.28

日本橋に話題を集める、江戸桜通り地下歩道

昨年から日本橋の話題が絶えません。
2014年春、コレド室町の新たな棟が開業、同時におもてなしの街・日本橋を案内する「日本橋案内所」がリニューアルオープンしました。街の紹介はもちろん、日本橋の老舗とコラボレーションしたメニューが気軽に楽しめるカフェや、日本橋の名店約50店舗の選りすぐり商品がずらりと並ぶお土産コーナーも併設され、日本橋のいいものが集まっている案内所として好評です。

また、コレド室町3には和室レンタルスペース「橋楽亭・囲庵」がオープン。お茶や着物の着付け、伝統的なおもてなしを気軽に体験できるイベントなどが定期的に開催され、海外のお客さまにも喜ばれています。

日本橋の魅力を伝えるこれらの施設をつないでいるのが、東京メトロ 三越前駅とも直結している「江戸桜通り地下歩道」です。この地下歩道は一般的な歩道とは少し違い、様々な機能や設備をもち、災害時には帰宅困難者の一時滞在施設にもなります。15台の縦型デジタルサイネージと横3.6m、縦2mの巨大デジタルサイネージが設置されており、トイレや空調も完備。天井・床には桜モチーフがデザインされ、照明も温かみのある光を採用し、地下歩道でありながらも品のある空間となっています。

設置されているデジタルサイネージ放映にも特徴があります。ひとつは全16面各々に異なる動画の放映が可能であること、もうひとつは音声の出力が可能なことです。

今春に放映された東京藝術大学による動画は、この地下歩道のデジタルサイネージの特徴を生かした放映のひとつです。日本橋室町地域で実施された「日本橋 桜フェスティバル」のひとつのコンテンツとして、雅楽の曲に合わせ、桜をバックに16面の中を龍が次々と移動する迫力ある作品を放映。作品発表の場としてデジタルサイネージを活用するという新たな可能性を広げた取り組みとなりました。
また、7月初旬にはイベント開催と同時に全16面のデジタルサイネージジャック放映を実施し、七夕にちなんだトークショーでは日本橋でも見ることができる星空の紹介などと共に、デジタルサイネージには七夕をイメージさせるビジュアルを放映。あたかも劇場のような空間となった地下歩道には、ふらりと立ち寄るワーカーや買い物客も多く、夏の夕方のひと時を楽しんでもらえるイベントとなりました。

現在、このように様々な取り組みが行われている江戸桜通り地下歩道ですが、本来この地下歩道は公道(中央区区道)であり、基本的にはイベント開催や企業の利益となる取り組みを行うことは難しい状況にありました。
しかし日本橋はもとより広場がほとんどありません。そのため、この地下歩道も街の賑やかしに活用できる場所として着目されることになったのです。中央区が指定する防災拠点としての役割も担いながら、街にとって有益な場所とするべく、2014年10月、一般社団法人日本橋室町エリアマネジメントを設立されました。

日本橋の価値を高め、賑わいを生み出す仕掛け

一般社団法人日本橋室町エリアマネジメントは、日本橋室町地域の賑わい創出と活性化に寄与することを目的とした団体です。江戸桜通り地下歩道のデジタルサイネージの放映管理などを行う広告事業、街や広告等と連動したイベントを管理・実施するイベント事業が、活動の2本柱となっています。本来難しいとされる公道の活用ですが、街の賑やかしを目的とし、街の関係者によって構成された公平性を持つ団体が運営することで、公道を活用できるようになりました。

そしてこの団体の運営費用を捻出するため、地下歩道を管理する組合よりデジタルサイネージ放映枠の一部を借り受け広告販売も行っています。もし広告販売によって得た利益が運営費用を上回る場合は、街の賑やかしのためのイベント実施などに活用される仕組みとなっています。

ただし、公道上の広告媒体であることから、美観景観はもちろんのこと、街の品格への配慮は欠かせません。そのため、特定の広告代理店に偏らず、中立的な立場で広告媒体の販売・管理等を行うメディアレップ制を導入、中央区や街の関係者の承認を経た広告物掲出ガイドラインによって審査を行っているのです。ほか、この団体の下部組織として、街の関係者や学識経験者によって構成される広告審査会を設置し、第三者の意見も取り入れるようにもしています。

また、街との関連性を深めるため、この地下歩道でのイベント開催には条件を設けています。街の既存イベントや店舗、企業との連携・コラボレーション、あるいは街の賑やかし施設と位置付けている日本橋案内所や橋楽亭、三井ホール、三井美術館等との連携です。
3月に開催された「日本橋キッズタウン~わくわく!ワーク体験~」は、日本橋の企業とコラボレーションしたイベントです。日本橋を代表する26の企業、老舗などが小学生を対象とした就労体験のワークショップを開催。普段は大人の街という印象も強い日本橋だが、この2日間は小学生で大いに賑わいました。
また、4月に開催された「桜スペシャルワークショップ」では、街の賑やかし施設のひとつである橋楽亭と連携したイベントが行われたました。「日本橋 桜フェスティバル」の時期に、地下歩道を特別会場として桜の生け花や茶席の体験などを実施。大きな壺に生けられた吉野桜や野点傘が地下歩道に春らしい雰囲気を添え、好評イベントとなりました。

雨天リスクのない江戸桜通り地下歩道は、街の賑やかしの拠点として今後ますます注目を浴びる場所となっていくでしょう。老舗の伝統や江戸の文化、新たな施設やイベントなどが相まって輝きを増している日本橋。日本橋の未来に賑わいを添えるべく、法人の活動は始まったばかりです。